アパート・マンションの管理形態を知ろう
常駐管理
「常駐管理」とは、常に管理員が建物に駐在している形態です。「住み込み」もこれに当たりますが、アパート・マンションの実例としては少ないでしょう。ただし、大家さんが管理員として、同じ集合住宅で暮らすケースはあります。この場合、勤務時間は日中の間で定められ、夜間は緊急時の対応となることが多いです。
対応範囲は限られますが、夜間でもすぐに連絡できることは入居者にとってはとても便利です。例えば、夜に帰宅して鍵をなくしたことに気づいた場合、常駐管理ならスペアキーで開錠してもらえますし、水漏れなどのトラブル時にも一次対応が可能です。また、いつも人の目があるので、不審者が近寄りにくいなど、防犯効果も期待できます。
住戸数が多く共用施設が充実している大規模マンションでは、日中は管理員、夜間は警備員という交代の体制で常駐管理業務を行っている場合があります。また、エントランスにフロントを置き、よりきめ細かな管理サービスを提供するものもあります。この場合の管理員は、コンシェルジュと名乗ることがあります。フロント(コンシェルジュ)サービスでは、荷物の受け取りやタクシーの迎車手配、クリーニングの発注、宅配便の発送手配など、多くのサービスで暮らしをサポートしてくれます。ただし、サービスが充実するほど費用が増えますから、その分家賃が高額になる傾向があります。
日勤管理
「日勤管理」とは、管理員が外部から勤務日に通勤してくる形態です。朝から夕方までの規定時間内で管理業務を行い、夜間や土日祭日は休みになることが多いです。そのため、管理員や管理会社による夜間の対応はありません。ただし、警備会社との契約により緊急対応の体制を取っている場合はあります。
日勤管理も、日中の管理時間内で人の出入りを管理するほか、マンションの共用部分の清掃なども行います。電灯類の交換など、共用設備での不具合対応・維持管理のほか、エレベーターの点検や特殊部分の清掃といった専門会社による作業の立ち合いも行います。
常駐管理に比べて、業務委託コストが抑えられるため、多くの集合住宅で採用されている形態です。
巡回管理・無人管理
「巡回管理」は、管理員が複数の担当物件を巡回しながら管理する形態です。戸数が少ないアパートやマンションが採用していることが多いです。日勤管理の勤務日時がさらに少なくなったものだと考えればいいでしょう。業務時間が短いだけで、基本的に管理業務の内容に違いはありません。ただ、当然短い時間の中でやれる範囲は限られてきます。事例の多くは、勤務日をゴミの回収曜日に充てていて、居住者のゴミ出しマナーのチェックや清掃を行っているようです。
管理コストは抑えられますが、清掃面でもの足りなさを感じることや、共用部分の電灯が次の巡回勤務日まで切れ放しになるなどでの不満を感じることがあるかもしれません。快適に暮らすためには、居住者同士ができるだけ汚さないように気を付ける、気づいた不具合は人任せにせず進んで連絡するといった心掛けが必要になりそうです。
もう一つ、「無人管理」というものがあります。「無人管理」とは、文字通り管理員がいない形態になります。建物施設に管理員はいませんが、トラブル発生時や問合せが必要なときには、管理会社に連絡をすると、対応してくれるというシステムです。
無人での管理ですが、防犯対策として敷地内にカメラを設置し離れていても建物の状況がわかるようにしている、万が一のために共用部分の扉などの施錠・開錠を遠隔で操作するシステムを導入しているケースもあります。必要に応じ、管理会社スタッフや警備員が現地に向かう体制が取られていることが多いです。
この管理形態は、やはり対応に時間がかかることがデメリットになります。また、管理員の目で気付くことがないので、日常の不具合などは居住者自身で注意しておく必要があるでしょう。管理面に不安を感じる人は、連絡後の対応時間などについて事前に確認することをおすすめします。
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